
デジタルサイネージのCMS(コンテンツマネジメントシステム)とは、画面に映す画像・動画・お知らせを管理画面で登録し、「いつ・どの画面に・何を出すか」を決めて配信する仕組みです。USBメモリを差し替えに行かなくても、事務所や本社から表示を変えられます。天気や作業内容が毎日変わる建設現場では、更新の手間を減らし、古い掲示が残るのを防ぐ手段として使われています。
デジタルサイネージのCMSとは
デジタルサイネージを構成するのは「モニター」「再生する機器(プレーヤー)」「表示する中身」の3つです。CMSはこのうち「表示する中身」を扱うソフトウェアで、素材の保管、並び順や表示時間の設定、配信先の画面と時間帯の指定、配信状況の確認までをまとめて行います。
CMSという言葉はWebサイトの更新システムを指すことも多いですが、サイネージ用のCMSは「画面に何を流すか」を管理する点で別物です。現在はインターネット上のサーバーで動くクラウド型が主流で、パソコンやスマートフォンのWebブラウザから操作できる製品が多くあります。
CMSの仕組み:管理画面からモニターに映るまで
クラウド型CMSの場合、表示する内容は次の4つを順に通ってモニターに届きます。
- 管理画面:担当者がパソコンやスマートフォンのブラウザで素材をアップロードし、プレイリストや表示スケジュールを作ります。
- クラウド(サーバー):登録した素材と設定がインターネット上に保存されます。どの端末からログインしても同じ内容を編集できます。
- プレーヤー(STB):モニターの横や裏に置く再生専用の小型機器です。ネット経由でクラウドから素材と設定を受け取り、内部に保存して再生します。
- モニター:プレーヤーとHDMIケーブルでつないだテレビや業務用ディスプレイに映像が表示されます。
ポイントは、プレーヤーが受け取った内容を内部に保存して再生していることです。ゲンバルジャーの場合、回線が一時的に切れても最後に同期した内容は再生され続け、復旧後に自動で同期されます(ネットが切れたらどうなりますか?)。ただし、切れている間は新しい内容の反映や遠隔操作はできません。
プレーヤーの役割や種類はSTBとは?サイネージ用プレーヤーの種類で詳しく説明しています。
CMSでできること
製品によって差はありますが、サイネージ用CMSの基本的な機能は次のとおりです。
- 遠隔更新:離れた場所にある画面の内容を、管理画面から差し替える
- スケジュール配信:曜日や時間帯を指定して、表示する内容を自動で切り替える
- 複数画面の管理:画面ごとに違う内容を出したり、グループ単位でまとめて配信したりする
- 画面分割(レイアウト):1画面を区切り、お知らせ・天気・時計などを同時に表示する
- 自動更新される情報の表示:天気予報やニュースなど、外部の情報を取得して表示する
- 管理・記録:担当者ごとの権限設定や、再生履歴・操作履歴の確認
例えばゲンバルジャーでは、メディア登録→プレイリスト(スライドショー)作成→スケジュール設定の3ステップで配信でき、平日の朝礼時間帯だけ朝礼用の内容を流すといった設定ができます。建設現場向けには、天気、WBGT(暑さ指数)、無災害記録表などのアプリも用意されています。
これらの機能が現場でどう役立つか、注意点は何かはサイネージCMSを使う利点と注意点に、建設現場で使いたい機能の具体例は建設現場で使うべきCMSの機能にまとめました。
USBメモリ運用との違い
CMSを使わない方法として、USBメモリに入れた画像や動画をモニターに挿して再生する運用があります。機器が少なく始めやすい反面、内容を変えるたびに現地へ行く必要があります。主な違いは次のとおりです。
| 項目 | USBメモリ運用 | クラウド型CMS |
|---|---|---|
| 更新方法 | データを作り直し、現地でメモリを差し替える | 管理画面で変更し、ネット経由で反映する |
| 更新できる場所 | モニターの前だけ | 事務所・本社・スマートフォンなど |
| 時間帯での切り替え | 同じ内容の繰り返しが基本(機種による) | 曜日・時間帯ごとに自動で切り替え |
| 複数画面 | 1台ずつ差し替え | まとめて、または画面ごとに配信 |
| 天気など変わる情報 | 表示しにくい | ウィジェットで自動更新 |
| ネット回線 | 不要 | 必要(一時的な切断時は保存済みの内容を再生) |
なお、ゲンバルジャーはUSBメモリからの自動再生には対応しておらず、管理画面から登録した内容を専用プレーヤーで再生する仕組みです(USBメモリを挿せば自動で再生できますか?)。社内LANで配信する方式も含めた比較はサイネージの配信方法3つの違いと選び方を参照してください。
建設現場でCMSが必要とされる理由
建設現場の掲示は、工程の進み具合や天候によって毎日のように変わります。紙やUSBで更新していると、書き換えの手間がかかるうえ、古い情報が貼られたままになりがちです。CMSを使うと、次のような場面で更新の負担を減らせます。
毎朝の朝礼・KY活動
当日の作業内容、重点注意事項、図面などを、朝礼前に事務所のパソコンから差し替えられます。前日に撮った現場写真をスマートフォンからアップロードして、翌朝の朝礼で共有するといった使い方もできます。
天気・熱中症への注意喚起
天気予報や暑さ指数は1日の中でも変わるため、手書きの掲示では追いつきません。CMSのウィジェットで自動更新される情報を表示すれば、詰所や休憩所の画面でも最新の状況を確認できます。
設置場所ごとに見る人が違う
朝礼看板、詰所、仮囲いなど、設置場所によって見る人と必要な情報が違います。作業員向けの画面には安全掲示や工程表を、仮囲いの画面には近隣の方に向けた工事のお知らせを、と画面ごとに内容を分けて管理できます。
本社や複数現場からの管理
本社から全現場に同じ安全通知を出したり、現場の担当者が自分の現場の画面だけを更新したりと、管理する人と範囲を分けられます。自分の現場にCMSが合うかどうかはCMSが向いている建設現場チェックリストで整理しています。
よくある質問
CMSがあればモニターだけで使えますか?
CMSは配信を管理するソフトウェアなので、モニターのほかに再生用の機器が必要です。ゲンバルジャーでは再生専用の小型プレーヤーをHDMIでモニターにつないで使い、テレビ単体では利用できません(テレビだけで利用できますか)。
専門知識がなくても操作できますか?
ゲンバルジャーの管理画面はWebブラウザで操作し、素材の並べ替えや画面レイアウトの調整はマウス操作で行えます。スマートフォンのブラウザからも操作できます(スマホからでも操作できますか?)。
更新した内容はどれくらいで画面に反映されますか?
通信状況やデータ量によって変わります。ゲンバルジャーでは画像やテキストなど少量のデータは数分以内、大きな動画は10〜30分程度かかる場合があります(コンテンツの更新はどれくらい時間がかかりますか?)。
導入前の確認事項
デジタルサイネージのCMSは、管理画面で作った内容をクラウド経由でプレーヤーに届け、モニターに表示する仕組みです。遠隔更新やスケジュール配信を使えば、毎日変わる建設現場の情報を少ない手間で掲示できます。
導入を検討する際は、回線・機器・運用体制の3点を確認しておくと進めやすくなります。
- 回線:有線LAN、Wi-Fi、モバイル回線(4G/LTE)のどれを使うか
- 機器:HDMI端子付きのモニターと、CMSに対応したプレーヤーの用意
- 運用:誰が、どのくらいの頻度で内容を更新するか
製品を比べるときの観点はサイネージCMSの選び方にまとめました。ゲンバルジャーで用意するものはゲンバルジャーを使うには何が必要ですか?で確認できます。
ゲンバルジャーの機能と必要な機器は、資料ダウンロードの資料に載っています。
