
建設現場の掲示物にかかるコストは、用紙や印刷代だけではありません。掲示物を作り、各所に貼り替えに回り、古くなった掲示を外す時間や、古い情報を見たことによる手戻り・確認の手間といった「見えにくいコスト」が積み重なっています。頻繁に変わる情報をデジタルサイネージに移し、複数の画面をまとめて更新できるようにすると、こうした手間を減らせる可能性があります。ただしサイネージには機器・回線・電源と更新担当が必要なので、紙やホワイトボードと役割を分けて考えるのが現実的です。
以下、掲示物の見えにくいコストの洗い出し方から、紙・ホワイトボード・サイネージの比較、サイネージで手間を減らす工夫と節電の方法、費用の考え方まで順に取り上げます。
掲示物の「見えにくいコスト」とは
掲示物のコストというと、用紙やインク、ラミネートなどの消耗品が思い浮かびます。しかし実際には、次のような時間や手間のほうが大きな割合を占めていることが少なくありません。
作成と貼り替えの時間
工程表や作業予定、安全通達、近隣へのお知らせなど、掲示物は内容が変わるたびに作り直しが必要です。作成した掲示物を印刷し、朝礼広場や詰所、ゲート、仮囲いなど複数の掲示場所に貼り、古いものを外す作業は、現場監督や事務担当者の時間を少しずつ使っています。
掲示場所を回る移動
敷地の広い現場や、掲示場所が離れている現場では、掲示物を1枚替えるために現場内を往復することになります。複数の現場を担当している場合は、現場から現場への移動も加わります。
古い掲示や伝達漏れによる手戻り
貼り替えが追いつかず先週の工程表が残っていたり、変更が一部の掲示場所にしか反映されていなかったりすると、古い情報をもとに段取りをしてしまうことがあります。その結果、作業のやり直しや確認の問い合わせが発生します。消耗品の費用より影響が大きくなることもあるコストです。
劣化と作り直し
屋外の掲示物は、雨や風、日差しで傷みます。破れたり色あせたりした掲示物を作り直す手間や、読めない状態のまま放置されることによる安全面の不安も、見えにくいコストの一つです。
自分の現場のコストを洗い出すチェックリスト
掲示物のコストを見直すときは、まず現状を把握することから始めます。次の項目を、実際の現場に当てはめて書き出してみてください。
- 掲示物の種類(工程表、作業予定、安全通達、行動目標、近隣向けお知らせなど)はいくつあるか
- それぞれの更新頻度は毎日か、毎週か、工程の節目ごとか
- 掲示場所は何か所あり、事務所からどのくらい離れているか
- 作成・印刷・貼り替えを誰が担当し、1回にどのくらいの時間がかかっているか
- 古い掲示や伝達漏れが原因で、確認や手戻りが起きたことはあるか
- 屋外の掲示物を作り直す頻度はどのくらいか
書き出してみると、「毎日・毎週変わる情報」に手間が集中していることが多いはずです。サイネージへの置き換えを検討するのは、こうした頻繁に変わる情報からが効果的です。
紙・ホワイトボード・サイネージの比較
掲示の方法にはそれぞれ得意・不得意があります。クラウド型サイネージ(ゲンバルジャーの場合)と、紙・ホワイトボードを比べると次のようになります。
| 項目 | 紙の掲示 | ホワイトボード | クラウド型サイネージ |
|---|---|---|---|
| 始めるための準備 | ほぼ不要 | ボードの設置 | モニター・プレーヤー・回線・電源が必要 |
| 更新の手間 | 作成・印刷・貼り替え | その場で書き直し | 管理画面で更新(スマートフォンからも可) |
| 複数の掲示場所への反映 | 場所ごとに貼り替え | 場所ごとに書き直し | タグで複数の画面にまとめて反映 |
| 離れた場所からの更新 | できない | できない | 本社・事務所から遠隔で更新できる |
| 写真・動画・図面 | 写真・図面は印刷で可、動画は不可 | 難しい | 画像・動画・PDFなどを表示できる |
| 自動で変わる情報 | 不可 | 不可 | 天気、暑さ指数、無災害日数などを自動更新 |
| 屋外での劣化 | 雨・日差しで傷む | 文字が消えやすい | 屋外の設置環境に合った機器選びが必要 |
| 注意点 | 貼り替え忘れ | 書き間違い・消し忘れ | ネット接続が前提、更新担当が必要 |
なお、ゲンバルジャーはインターネットが一時的に切れても、最後に同期した内容を表示し続けます。新しい内容の反映は回線の復旧後になります(ネットワークに接続されていないときの再生)。
サイネージで掲示の手間を減らす4つの工夫
工夫1:複数の画面をまとめて更新する
ゲンバルジャーは1つのアカウントで複数の画面を管理でき、モニターに付けたタグごとにコンテンツを一括で適用できます。朝礼広場・詰所・ゲートの画面に同じ連絡事項を出したいときも、更新は1回です。複数の現場を持つ会社なら、本社から全現場への通達を一斉に配信することもできます(同じコンテンツを複数のプレイヤーに一括で適用したい)。
工夫2:自動で更新される情報に任せる
毎日書き換えていた情報の中には、アプリに任せられるものがあります。無災害記録表は基準日を一度登録すれば無災害日数を毎日自動でカウントアップし、手書きの更新や書き忘れがなくなります。天気や暑さ指数、竣工までのカウントダウン、日付と時計も、自動で更新される情報です。
工夫3:掲示期間と切り替えをスケジュールで自動化する
掲示期間が決まっている通達や、朝礼・休憩など時間帯で変わる表示は、スケジュールで開始と終了を設定しておけば、外し忘れや切り替え忘れがなくなります。翌日の朝礼で使う内容を前日に登録しておけば、朝の準備の時間も短くできます。作ったレイアウトは保存して再利用できるため、次の現場でも同じ構成を使い回せます(デザインしたレイアウトは保存できますか?)。
工夫4:電源スケジュールで夜間・休工日はオフにする
サイネージの電気代が気になる場合は、モニター電源のオン/オフを曜日・時間ごとに自動化できます。表示が必要な時間帯だけ電源を入れ、夜間や休工日は自動で切っておけば、節電になり消し忘れも防げます。仮囲いのモニターなら、夜間の消灯は近隣への配慮にもなります(モニターのオンオフを曜日時間ごとに自動化できますか?)。
紙やホワイトボードをすべてやめる必要はない
サイネージを導入しても、すべての掲示物を画面に移す必要はありません。法令や契約で決められた方法での掲示が求められる書類や標識、ほとんど変わらない常設の案内は、従来どおりの掲示のほうが適していることもあります。また、朝礼でその場の気づきを書き込むような使い方はホワイトボードが便利です。
目安としては、「毎日・毎週変わる情報」「複数の場所に同じものを出す情報」「写真や動画で見せたほうが伝わる情報」をサイネージへ、「変わらない常設の表示」「その場で書き込む情報」は紙やホワイトボードに残す、という分け方がおすすめです。どんな現場でサイネージが向いているかはCMSの導入が向いている建設現場でも取り上げています。
費用の考え方
クラウド型サイネージの費用は、主に次の要素で構成されます。
- モニター: HDMI端子付きであれば、家庭用テレビや既存の業務用モニターも使えます
- プレーヤー: 専用プレイヤーのレンタルまたは購入(ご相談に応じます)
- 通信回線: 既存の有線LANやWi-Fi、または4G回線(ポケットWi-Fiをご提案する場合があります)
- システムの利用料
- 必要に応じて初期設定や現地での説明(ご相談に応じます。料金が発生する場合があります)
検討するときは、これらの費用と、先ほどのチェックリストで洗い出した「作成・貼り替え・移動・手戻り」の手間を並べて比べると判断しやすくなります。画面の数は契約途中でも増やせるため、まずは朝礼広場の1台から始め、効果を確かめながら広げる方法もあります。ゲンバルジャーの料金は、お問い合わせフォームからご確認ください(ゲンバルジャーの金額について)。
よくある質問
手持ちの家庭用テレビは使えますか?
HDMI端子付きであれば、一般的なテレビや業務用モニター、PCモニターを利用できます(どんなモニターが使えますか?)。テレビ単体では使えず、専用プレーヤーをつなぐ必要があります。
掲示物の更新は誰でもできますか?
レイアウトの作成や素材の配置はマウス操作で行え、専門知識は必要ありません(レイアウト作成に専門知識は必要ですか?)。複数人で更新する場合は、カスタムロールで権限を分けておくと安心です。
手間の大きい掲示から置き換える
建設現場の掲示物のコストは、消耗品よりも、作成・貼り替え・移動・手戻りといった見えにくい手間に多く隠れています。頻繁に変わる情報や複数の場所に出す情報をサイネージに移し、一括更新・自動更新・スケジュール・電源オフを組み合わせれば、こうした手間を減らせる可能性があります。紙やホワイトボードとの役割分担を決めたうえで、まずは手間の大きい掲示から置き換えてみてください。
機器構成や機能の詳細は、資料ダウンロードでご確認いただけます。
